多様化するストリートで、人の足を止める

そういえばこの前ときわさんと二人で演奏したのは、
「高次脳機能障害ケアセンター ふらっと」、ここの夏祭りにて。

わりとガヤガヤした中で歌とギターで演奏し始め、
会場にいる人がひとりまたひとりと静かになっていき、
最後は隅々までみんなが注目し、
拍手をおくってくれた。

今まではこんなことなくて、
まあボサノバやシャンソンが好きな人が、
いいねえ、ってパチパチしてくれればいいほうで。
好きなジャンルって、だれでもあるから、
それが至って普通のことでしょう。

だから僕はこれ、なかなか凄いことだと思っていて。
すでにファンな人たちが集まっているのではなくて、
趣味や嗜好が違う人たちが、
無作為に集まっている場所で。

だから僕は、ときわさん凄いなあと思うんです。

こんな古い曲ばっかり、
斬新でも何でもないアレンジで、
地味な編成でやってるだけだからね。

自分が何をやっているのか、
どういう音を出しているのか、
ましてやジャンルは何か、
なんてことを、
自分ではっきり解説できない、
自己理解あやふやのまっただ中。

ただ一つ言えるのは、
音楽やバンドを始めるときに、
スタイルやコンセプトを決めてかかる、
ということをやらずに、
歌って何だ、
歌のためにギターはどうあるといいか、
ってことだけ考えてやってる。
色んな時代のYoutubeとか見られるからね、
流行りとか気にすることもない。

とはいえ嘘っぱちの生意気な結論言うにはほど遠い。
明日は全く誰も聞いてくれなくなるかもしれない。
今お客さんが何を感じ取って見てくれてるのかさえ、
正直よくわからない状態。

今までにない広がりを持って、
人たちが歌を聞いてくれるようになって来た、
そんで音楽も、
なんだか面白くなってきた、
それだけの事実があるということ。

これは音楽の軸になる大事な部分で、
いわば毛糸玉の芯になる部分。
そこに、どうやって毛糸を巻いて
程よい大きさに膨らまそうか。

そういう時期が来たんだろうね。