脳障害からにじみ出る音。

ちょっとさかのぼって8/23(土)、
高次脳機能障害者のケア施設で、
お祭りがありました。
バイク事故、水球の試合での事故、脳梗塞など
さまざまな理由で脳に障害がのこった人たち。
彼らが、スタッフに助けられながらも自力で
出店で物販の手伝いをしたり、
DJしたり、歌ったり、
演奏したりしてました。
そのうちハーモニカ演奏してたおじさんたち、
ほんとに良かったです。
出ている音がきれいでもなく、
つっかえながら、ぎこちない感じ。
ぱっと聞き、たいしたことない演奏。
だからお客さんもあまり注目してないで、ざわついてる。
なのだが、普通の「へた」と何かが違う。
その音にこめられたものの大きさ。
音出してるぞーっ、俺は!
っていうようなものがすごく、
それが音の背後にどっしり立っているのが見える。
いま思い出しても、あのとき見えたものは
一体何だったんだろうと思う。
いや、それが何なのかはあまり考える気はなくて。
思ったのは、それを見えるようにしてくれた「音」の不思議さだ。
「沈黙」と「言葉」の間のグレーゾーン、
何も語らないんだが、何かがにじみ出る。
それが「音」「声」の面白さだ。
脳障害でうまく人に語れない、
でもそれが音ならポンと出てくる。
「音」は正直だ。
うそがつけないし、演技できない。
楽器や歌が上手になって
一見完璧な演奏でも、
その背後にある、にじみ出るものの方を
人々は素直な耳で聞いている。
その結果「なんかイイ」とか「なんかツマんね」ってなる。
「雄弁に語れば」伝わるってもんじゃないな、と。
人と人が「無言」で分かり合ってることの多さを最近とても感じる。
この日は僕も演奏しましたが、
その「音」の背後にはどんなものが
出ていただろうかと思うのでした。


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