最後のニュース。

高校から帰って、爆音でギター弾いて、本読んで、
受験勉強もそこそこに、
ニュース23の筑紫さんを見て、風呂入って、寝る。
ずーっと、このパターンで。
高校生のぼくにとって、筑紫さんは
なんだかよく分からない世の中の
暗い海を照らす灯台であった。
なるほどなあ、とその言葉にワクワクして
テレビを消してまた自分の部屋にごそごそ帰っていく。
誰が嘘つきで、誰が嘘つきじゃないのか、
高校生はとても敏感だ。
意見が正しいか、間違っているかが大事じゃなく。
いっぱい批判されていようが、
でもこの人は自分の真実に嘘をついていないよな、
という確信があった。
だからジョン・レノンの歌を聞くのとまったく同じ気持ちで、
筑紫さんの多事争論に食らいついていた。
いま思えば、あの頃のあの番組はまさしく、
筑紫さんの「歌」そのものであった。
自分は将来、
ジャーナリストかミュージシャンになろうと決めたのがその頃で、
その思いが「にいみ内閣」として、歌でひとつになっている。
筑紫さんがいなくなったことで、
思い出だった青春の火がひとつ
ふっと消えてなくなったような、ぽっかり感。
筑紫さん、おつかれさま、ありがとう、です。


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